前回は、AI導入検討の出発点となる業務の現状把握について紹介した。第2話では、洗い出した課題をもとに、実際に導入を進めていく際のプロセスについて取り上げる。
小さく試すことの重要性
現状把握で見えてきた課題のうち、影響範囲が限定的な業務からAIツールを試験的に導入する進め方が広く採用されている。全社一斉導入ではなく、特定の部署やチームで先行して運用し、効果と課題を確認してから展開範囲を広げる方法が、失敗のリスクを抑えるうえで有効とされる。
運用ルールの整備
試験導入の段階から、情報の取り扱いに関するルールや、生成物を利用する際の確認手順を整えておくことも重要だ。担当者を明確にし、疑問点や不具合が出た際にすぐ相談できる体制を作っておくことで、現場の不安を和らげることができる。
試験導入の期間中は、利用状況や現場からの声をこまめに記録しておくことも欠かせない。どの業務でどの程度時間が短縮できたか、逆にどのような場面で使いにくさを感じたかを具体的に蓄積しておくことで、展開範囲を広げる際の判断材料になる。こうした記録は、経営層への報告や、次の部署への展開を説明する際の裏付けとしても役立つ。次回は、導入後の定着に向けた取り組みを紹介する。